ダイヤモンドは、世界的に希少な鉱物で、価値があるため、品質を公平に評価する国際的な仕組みが欠かせませんでした。1940年代から1950年代にかけて、 米国宝石学会(GIA)が考案したのが、「4Cs」と呼ばれる品質評価のための4要素「キャラット(Carat Weight)、カラー(Color)、クラリティー(Clarity)、カット(Cut)」です。それ以降、世界中のダイヤモンドの専門家が裸石 の価値を判断する際に、この4要素を用いるようになりました。現在では、GIAはもちろん、他の多くの鑑定機関がこの4要素を活用して、ダイヤモンドの鑑定を行っております。
ダイヤモンドの重量は、キャラットと呼ばれる単位で表され、"ct"と略して表示されます。1.00ctは、0.2グラムに相当します。 ダイヤモンド重量は端数処理され、GIA鑑定では、小数点以下を第2位まで表示し(例:0.31ct)、日本の鑑定機関では第3位(例:0.314ct)まで表示します。
キャラット(ct)とカラット(Kt)の関係は紛らわしく、キャラットはダイヤモンドの重量を表すのに対し、カラットは金の純粋さ、純度を表します。
ラウンドブリリアントカットといわれる、一般的なダイヤモンドの形においてカラーは、"通常の色の範囲"といわれる、無色から ライトイエロー・ライトブラウンの範囲で鑑定されます。通常の色の範囲において、最も希少性が高い無色をDカラーとし、E・F・G・・・・・と徐々に黄色身を帯び、 ライトイエロー・ライトブラウンのZまでにおいて鑑定されます。
D〜Zまでのアルファベットは、色濃度といわれる明度と彩度の組合せを表し、色濃度と色の無さの両方がカラー鑑定をする指標となります。訓練されていない目でも、 M以下の色であれば、簡単に色を見分けることができます。カラー鑑定は、マスターストーンといわれる比較用のダイヤモンド(基準石)を用いて行われます。Zカラーのマスターストーンより 濃いイエローやブラウン、またはイエローやブラン以外の色のダイヤモンドを、ファンシーカラーダイヤモンドと呼んでいます。
クラリティとは、ダイヤモンドの透明度・明澄度を表します。つまり、インクルージョンと呼ぶダイヤモンドの内包物、もしくはダイヤモンドの表面から内部にかけて見られる特徴と、 ブレミッシュと呼ぶダイヤモンドの表面に見られる特徴をあわせて クラリティと呼びます。クラリティ鑑定は、内包物・キズが全くないFlawlessを先頭に、内包物・キズの数などがふえるにしたがって、IF・VVS1・VVS2・VS1・VS2・・・・・I2・I3 とランク付けられます。
ダイヤモンドの魅力の1つは、その輝く光です。クラリティ特徴が多ければ、それだけダイヤモンド内部に入ってきた光の進行を遮るものが多くなるため、どんなにカットグレードがよくても ダイヤモンドの美しさを十分に見せることができなくなります。
ダイヤモンドの魅力を引き出すのに最も重要なのがカットです。カットは、ダイヤモンドが持つ3つの輝きの要素(ブリリアンス、ファイア、シンチレーション)に影響します。ブリリアンスとは、 研磨済みダイヤモンドの内部や表面から反射される白色光の組合せを、ファイアは研磨済みダイヤモンドから観察できる色光の閃光、そしてシンチレーションは、ダイヤモンド・照明・観察者が動くことによって 観察される光のきらめきを表します。一般的に多くみられるダイヤモンドの形を、ラウンド ブリリアント カット(下図)と呼び、57もしくは58の面(ファセット)を持ちます。
ダイヤモンドのカットは、プロポーション・ポリッシュ・シンメトリーの3要素が、それぞれ5段階評価(Excellent, Very Good, Good, Fair, Poor)で鑑定されます。プロポーションとは、テーブルのサイズ(上図:table size)・クラウン角度(上図:crown angle)・パビリオン角度(上図: pavilion angle)の相対的な関係。 ポリッシュは、ダイヤモンドのファセット表面全般の状態を表し、シンメトリーはファセットの位置と形の正確性を意味します。
カットで最高の評価は、3EX(トリプルエクセレント)と呼ばれる、プロポーション(Cut)・ポリッシュ(Polish)・シンメトリー(Symmetry)の3つの項目で、それぞれExcellent評価を 得たものです。
H&C(ハート&キューピッド)があることが、最高のカット評価ではありません(詳細は、HEART&CUPIDを参照)
ダイヤモンドは、紫外線にさらされると発光し、これを蛍光と呼びます。紫外線エネルギーとダイヤモンドが反応することでおこる 現象です。ダイヤモンドの蛍光は、長波紫外線の下で最も顕著に発し、紫外線の多い太陽光線下でも蛍光を発します。日常においては、 パーティーなどでよく使われるブラックライトを照射することで、蛍光性の強いダイヤモンドから神秘的な色の蛍光が発せられるのを 確認できます。この傾向は光源を取り除くとすぐに消滅し、4Csのカラーグレードで定められたダイヤモンドそのものの色に戻ります。 GIAの研究により、蛍光の強度は、ダイヤモンドのカラーグレードに影響しないことがわかっており、ダイヤモンドの価値基準にはほぼ影響しません。 そのため、蛍光性は鑑定書にグレードとしてではなく、説明として記載されます。ダイヤモンドを選ぶ際、蛍光性の有無・強弱は、お客様の お好み次第となります。
蛍光性の色として最も一般的なのが青色です。その他にも、黄色・緑・オレンジなどがあります。また蛍光性は、 None(無), Faint/Slight(弱), Medium(中), Strong(強), Very Strong(ともて強い)と5つの項目に分類され、鑑定書に記されます。
キンバリー・プロセスとは、ダイヤモンド原石の取引を規制する政府後援の国際的証明プログラムです。このプログラムでは、 紛争ダイアモンドの取引を阻止するとともに、ダイヤモンド原石の合法的な取引を保護することを目的としています。一般的に、 キンバリー・プロセスは、ダイヤモンド原石の国際間の輸出入の管理を目的とし、2003年1月以降に採掘されたダイヤモンド原石は、 不正開封防止付の容器に収納し「キンバリー・プロセス証明」を同封して配送することを要求しています。ジュエル・フジマキは、 この保障システムに参加しています。