Fancy Color Diamond(カラーダイヤモンド)を理解することは非常に難しい為、多くの業者様がご理解することなく、カラーダイヤのお取扱いをされています。高額な商品になればなるほど、信頼のおけるお店選びが必要になりますが、このサイトをご覧になられた後、国内の様々なお店へお問合せされ、お客様ご自身でご納得のいくお店探しをされてください。当サイトは、当店でのご購入を促す為よりも、より多くのお客様に宝石の事実を知って頂くことに重きを置いています。
多くの宝石商がメディアで、最も高価な宝石はダイヤではなく、色石であると仰ります。D-Z Color Diamondと比較すると色石が高価になることが多いですが、最も高価な宝石は Fancy Color Diamondで、その価格差は想像を遥かに超えます。
例えば、オークションで最も高価な値をつける非加熱モゴック産ルビー・Pigeon’s Blood・10ct upの場合、約10億円以上。ダイヤモンドの中で最も高価なFancy Red Diamondの2ctで高品質なものになると、2019年1月の価格ですと、14億円以上いたします。1ct当たりの価格で比較するとその差は歴然です。
国内では、G.G保有者でさえWhite DiamondというColor Diamondの存在を知らない方が多い為、無色透明のダイヤモンドをWhite Diamondと呼んでおりますが、一般的な無色透明なダイヤや、黄褐色を帯びた D Color から Z Colorまでのダイヤモンドを総称して ”D-Z Color Diamond(通常色範囲のダイヤ)”と呼びます。
ダイヤモンド原石は、皆様が思われている以上に世界中で採掘されていますが、その多くが工業用品質であり、平均して17%程度の原石が宝石品質として取扱われます。1935年American Geologist;Sydney H.Ballは、全てのダイヤモンドの10,000個に1個がFancy Color Diamondと発表しました。現在はそれよりも遥かに少ない比率だと考えれており、2012年GIAに鑑定依頼された全てのダイヤモンドの3%のみがFancy Color Diamondだったと言われています。
1960~70年代にかけては、日本人ディーラーが海外で仕入れたBlue Diamondを仕入れ価格の3倍で国内の卸業者に卸していたという話は、海外の業者間でとても有名な話です。2016年に行われた国内の宝飾店でも、海外の卸業者が日本の業者向けに Fancy Intense Blue (TypeIIB) Marquise Shapeを、8,000万円で展示してしていましたが、これと全く同じ品質であれば、通常当店の小売価格としては6,000万円弱の商品でした。
D-Z Color Diamondの場合、GIAのGradingによって細かくクラス分けされております。D-Z Color Diamondは、厳密には蛍光性を含めますと、Color 23, Clarity 11, Cut 5, Symmetry 5, Polish 5, Fluorescence 5 通りで、158,125通りの組合せがございます。市場においては、 ある程度その多くを簡略化し、大まかな価格表を作ることができます。
Fancy Color Diamondの場合、価格に影響を与える評価の組合せが約160億通りあると言われています。
例えば、GIA Reportにおいて、全く同じGradeの2つの 1.00ct E/VVS1/3EX/Mediumがあったとします。仮にその2つの石をA と Bと名前を付けます。D-Z Color Diamondの範囲内にある、A と B は、どのような状況でも、AとBの価値は全く同等です。例えA石のE Colorが D Color寄りで、B石のE ColorがF Color 寄りであっても、またA石のVVS1がIFよりで、B石のVVS1がVVS2寄りであっても、またはA石のTableのProportionが 53%で、B石のTable Proportionが61%であっても、AとBの価値は全く同じです。
Fancy Color Diamondの場合、先の例は全く当てはまらず、GIAのGrading Reportに表記されない細かな部分さえも、取引所においては大きく価格に影響を与えます。そのような理由も含め、Fancy Color Diamondに対しては価格表を作成することは不可能であり、適正価格を理解することが大変困難なのです。G.G.取得時には、Fancy Color Diamondの講義は極僅かであり、GIAはそもそも価格や価値決定に関しての講義はしない為、単にG.G.保有者だけではカラーダイヤモンドに対する理解や価値・価格判断は不可能です。その為、消費者の方にとっても、Fancy Color Diamondを購入する際、信頼できるお店選びをすることが難しくもあります。
Fancy Color Diamondの価格決定に影響を与える11の項目: Hue, Intensity, Weight, Shape, Inner Grade, Color Distribution, Clarity, Undertone, Fluorescence, Polish & Symmetry, Matching Pair に関してご説明致します。
Fancy Color Diamondの色は、Red, Orange, Yellow, Green, Blue, Viole, Purpleなど下図のFancy Color Diamondに使われるHue Circleの27色を基本とし、Pink, Black, Brown, Gray, White等もあります。また色調は、2~4色組合わされる場合が多く、Dominant Color (Main Color/Body Color/主張色: 色全体の印象を支配する色) と Modified Color (Second または Third Color)に区別されます。例えば Fancy Purplish pink や Fancy Brownish Greenish Yellow の様に表記される場合です。一番最後に表記されている色が Dominant Color、それ以外がModified Colorとなり、Fancy Brownish Greenish Yellowの場合、Dominant Color: Yellow, Second Color: Greenish, Third Color: Brownish となります。
Modified Colorは、基本的にFancy Light 以上のものに使われます。Light Yellowish Greenというのはない為、Greenがその石の唯一の色になります。
Modified Colorに “ish”がついている場合とそうでない場合は、色の含有率が異なります。例えば、Yellowish Orangeの場合、黄色は大凡15-30%の含有率。Yellow-Orangeの場合は、黄色が40-45%入っています。もし黄色が15%未満の場合は、YellowはModified Colorと考えられず、Orange Diamondとなります。
Modified Colorがあると価格が下がることが多いです。例えば、2ct upの Fancy RedとFancy Brownish Redの場合、数億円の価格差が出ます。しかしながら、Pink DiamondとPurplish Pink Diamondのように価格がほぼ変わらない場合もございます。
色調の中で最も価格が高いのがFancy Red Diamondですが、最も希少なDiamondではございません。最も希少性が高いのは、Fancy Vivid Orange(パンプキンダイヤモンドと呼ばれている)です。
Fancy Color Diamond のIntensityは9通りにクラス分けされます: Faint, Very Light, Light, Fancy Light, Fancy, Fancy Intense, Fancy Dark, Fancy Deep, Fancy Vivid. 彩度は高いほど価格が上がり、明度はMediumぐらいが最も高額になり、その組合せとしてFancy Vividが最も高額で取引されます。
Yellow Diamondの場合は、Fancy Light Yellowからしかございません(Faint: K-M Color, Very Light: O-R Color, Light: T-Z Color. )。Red Diamondの場合は、Fancy Red のみで、それ以外のIntensityのGradeは存在しません。
他の条件が同じ場合、Fancy Color Diamondも重量が重くなる程価格も上がります。
D-Z Color Diamondの場合、GIAは、Diamond DossierとDiamond Grading Report共に、0.15ctから発行していますが、Fancy Color Diamondは、Grading Reportが0.15ctから、Identification & Origin Reportは 0.01ctより発行しています。
Fancy Color DiamondのGrading ReportとIdentification&Origin Rerpotの違いは 下をご参照ください。また、Originは、産地を表すものではなく、色処理の有無(Naturalかどうか)を表す意味で使われています。
Grading Report: Carat Weight, Color Grade, Color Origin(Natural or Treated Color), Color Distribution, Clarity, Cut, polish, Symmetry, ,Fluorescence, plotted diagram of Clarity Characteristics, etc.
Identification & Origin Report: Carat Weight, Color Grade, Color Origin, and Color Distribution.
Fancy Color Diamondは、色を強調する為カットされるので、深さが取れないRoundよりは、Radiant/Cushionにカットされることが大多数です。大凡VividのRadiant/Cushionにできる原石をRoundにカットした場合、深さがない為、弱いFancy Intense以下になります。Shapeによる価格の差異は、他の条件が同じ場合Radiant/Cushionが一番低く、続いて、Oval/Heart, Pear, Emerald, そしてRoundが一番高くなります。 例外も若干あり、Fancy Lightより低いIntensityの場合、Roundの方がRadiant/Cushionよりも低くなることがあります。
またTraditional CutとModified Cutにも価格差が生じ、例えばCushion Brilliant の場合と Cushion Modified Brilliantと書かれている場合、Cushion Brilliantの方が高くなります。
D-Z Color Diamond では起こりえない価格差が、Fancy Color Diamondの同Color Gradeではあります。
例えば、2石(1.00ct, E Color, VVS1, 3EX, None)があった場合、そのE Colorが、D Colorよりでも、F Colorよりであっても、2石の価格は同じです。
しかしながら、Fancy Color Diamondの場合、2つの石がFancy Intense Yellowの場合、それが、Fancy Vivid Yellowに近い場合と、Fancy Yellowに近い場合とでは価格差に大きな違いがでてきます。例えば5ct以上のFancy Vivid Yellowの場合、他の条件が全く同じと仮定した場合、強いFancy Vividと弱いFancy Vividの価格差が2倍以上になることもございます。
ダイヤモンドをFace up で見たとき、色が一様に分布しているかを判断する項目で、Even/Unevenの2種類で鑑定されます。Reportの種類によって、Faint, Very Light, Light の石では鑑定されない為、その場合は Not Applicableと表記されます。
Color Distributionが同GradeのEvenであっても、色の分布に差があり、価格差も表れます。
Clarity Grade高ければ、その価値も高まりますが、D-Z Diamondに比べると、価格差の比率は比較的小さいことが多いです。
Undertoneとは、Dominant Colorに僅かに隠れた色のことです。Modified Colorとは全く違います。ダイヤモンドがSingle Colorであろうが、Modified Colorを持っていようが、存在し得るものです。この微かな色のUndertoneは GIA Reportに表記されませんが、目視可能であり、価格に大きく影響します。
例えばTraderの間で、ピンクダイヤモンドに対して、Old Pink・Baby Pink・Bubble Gum Pink という用語が使われることがあります。Old Pinkはオレンジっぽいピンクですが、Orangish Pinkではなく、反対にBubble Gum Pinkはパープルよりですが、Purplish Pinkではありません。3つとも、Modified Colorを持たないPink Diamondですが、価格はBubble Gum Pinkが高くなります。
蛍光性はD-Z Diamondの場合、需給関係の理由で価格を下げますが、Fancy Color Diamondの場合は、価格を上げえる場合があります。例えば、Yellow Diamondに黄色の蛍光性、Orange Diamondにオレンジ色の蛍光性、またはBlue Diamondに青色の蛍光性がある場合、太陽光下で、ダイヤモンドの色が強調される為、価格が上がります。
以前は重要視されていませんでしたが、Fancy Color Diamond市場に注目がより集まり始めた昨今、世界的にGrading Report上においてもPerfectを求める傾向が強くなり、Polish & Symmetry の評価も以前に比べると価格差に幅が出てきました。
Fancy Color Diamondでペアを作るには、Hue・Saturation・Tone・Undertone・Cut(Shape)がマッチしなければならず、D-Z Diamondとは違い非常に難しいことです。その為ペアのColor Diamondには、それなりのプレミアムが市場で付けられ取引されます。
Color-Change Sapphire・Color Change Garnet・Alexandrite Chrysoberyl・Color Change Spinel等、光源の違いで色が変化する宝石がありますが、ダイヤモンドにも色が変化するChameleon Diamond(カメレオンダイヤモンド)があります。
GIA鑑定書のコメント欄にも書いてありますが、カメレオンダイヤモンドの色を変化させるには、ダイヤモンドを温めるか、暗い場所に一定期間置いておくと、GreenからYellowへと色が変わります。通常ドライヤーなどでダイヤモンドを温めることで色を変化させることができます。
Jewel Fujimakiでは、お客様のご要望のFancy Color Diamondをご用意いします。2ct up の Fancy Red や、大粒のFancy Vivid Blue や Fancy Vivid Pinkも可能でございます。 他店様でお探しできなかった場合や、オークションハウスクラスのお石をお探しになられている場合など、ご連絡頂けますと幸いです。