ラウンドブリリアントカットといわれる、一般的なダイヤモンドの形においてカラーは、"通常の色の範囲"といわれる、無色から ライトイエロー・ライトブラウンの範囲で鑑定されます。通常の色の範囲において、最も希少性が高い無色をDカラーとし、E・F・G・・・・・と徐々に黄色身を帯び、 ライトイエロー・ライトブラウンのZまでにおいて鑑定されます。
D~Zまでのアルファベットは、色濃度といわれる明度と彩度の組合せを表し、色濃度と色の無さの両方がカラー鑑定をする指標となります。訓練されていない目でも、 M以下の色であれば、簡単に色を見分けることができます。カラー鑑定は、マスターストーンといわれる比較用のダイヤモンド(基準石)を用いて行われます。Zカラーのマスターストーンより 濃いイエローやブラウン、またはイエローやブラウン以外の色のダイヤモンドを、ファンシーカラーダイヤモンドと呼んでいます。
マスターストーンとは、ダイヤモンドのカラーを鑑定する際に、鑑定するダイヤモンド(検査石)がD~Zの何処に位置するかを決定するために 用いる基準石です。マスターストーンは、あるグレード範囲で色濃度が最小の石であるため、各々の色範囲の中で最も色味の少ない最上級のダイヤモンドを 意味します。
例えば、検査石がHマスターより僅かに明るい場合、その石はGカラーと思われ、同様にGマスターより僅かに明るい場合は、 Fカラーと思われる。Gカラーと鑑定された検査石が5石あった場合、Gマスターと同じ濃度の石、僅かに劣る石など、 個々に微妙な色濃度の違いを見せるものの、5石ともHマスターよりは明るくなければならない。
GIAマスターストーンは、世界中で多くの鑑定機関によってダイヤモンドを鑑定する際に用いられている。
Q:GIAマスターストーンに選ばれるダイヤモンドのカット評価は素晴らしいのですか?
A:この質問をよくお客様からいただきますが、カットが素晴らしいことは、GIAマスターストーンに選ばれる基準にはございません。
GIAマスターストーンに選ばれるのに必要な基準を以下に示します。
1.表面に残余物のないラウンド・ブリリアント・カットのダイヤモンド
2.0.25ct以上のサイズで、各々のマスターストーンのキャラットサイズの違いが0.10ct以下のダイヤモンド
3.ClarityグレードがSI2よりいいグレードのダイヤモンド
4.無色から黄色身を帯びたダイヤモンド
5.ガードルの厚さ評価がThinからThick評価を得たダイヤモンド
GIAマスターストーンとして不適格な基準を以下に示します。
1.DカラーからJカラーまでの色味に関しては、蛍光性があるダイヤモンドは不適格
2.Kカラー以下のカラーに関しては、蛍光性があってもいい
3.ダイヤモンドのパビリオンから目視で確認できるインクルージョン(内包物)があるダイヤモンドは不適格
4.茶色/紫がかった色のダイヤモンドは不適格
5.ガードルにひどくキズ(bearded girdle)や波うってるもの、ガードルに大きいナチュラル(原石の残り)や大きい余分なファセット(面)があるダイヤモンドは不適格
6.クラウンやパビリオンが明らかに浅い/深いダイヤモンドは不適格
上記のとおり、GIAマスターストーンに選ばれるからカットが美しいというわけではないことが十分にご理解いただけたかと思います。 上記に適したダイヤモンドの場合、お客様のダイヤモンドもマスターストーンとして採用される可能性が十分にあります。 GIA発行のGIAマスターストーン採用基準を こちらからご参照ください。
明度とは色の明暗の度合い表し、彩度は色の強さの度合いを表します。